こんにちは。aikoジャンキーのけだまです。
今回は、aiko”桜の木の下”に収録されている「二人の形」という曲について個人的な考察や意味・感想を書いていこうと思います。
ハンカチ1つ渇かない心
歌いだし。
ハンカチ1つ渇かないそんな心の中じゃ
見つかるものも見つかんないわ
少し暖めてください
歌いだしからaikoのこの絶妙な言葉選びに、”これはaikoにしか書けない歌だ!”と、aikoジャンキーの私はたまらない気持ちになります。(笑)
自分の心の中の気持ちを、「ハンカチ1つ渇かない」なんて本当によく言い表してくれます。
そして、誰にだって、ハンカチ1つ渇かないようなどんより晴れない気持ちの時はありますが、おそらくaikoは好きな人がいるからこそ、そんな心情なんだろうな、と想像します。
ひとまずその先の歌詞を見ていきましょう。
あなたののどを流れる息に
あたしの前髪が揺れる
季節変わっても時がたってもあなたのそばにいたい
少し背の高いあなたに寄り添うあたし。”あなたの息”ではなく、”あなたののどを流れる息”なのも、aikoがただひたすらにあなただけを見ていることが伝わってきます。
たぶん、口元に前髪が来るってことは、あたしの目線はあなたの喉ぼとけあたり。少し下から見あげるようにあなたを見たら、その喉から息が流れてあたしの前髪にあたってかすかに揺れる、そんな光景が見えたはずです。
ああ、あなたがここにいるんだなって、少し安心するような感情を感じます。
そしてこのままサビへ
あなたにはあたししかいないなんて
そんなことは到底言えないけれど
今のあたしにはあなたしかいらない
見えない気持ちを信じて言える
先ほど、好きな人がいるからこそ、ハンカチ1つ渇かない心の中なんじゃないか、と言いましたが、それはこのあたりの歌詞から感じたことです。
「あなたにはあたししかいないなんてそんなことは到底言えない」
このフレーズから感じるのは、やっぱり不安に近い感情。
でも、それに続くのは、「今のあたしにはあなたしかいらない」という言葉。あたしは、あなたしかいらない。見えない気持ちだって信じてそう言えるくらい、絶対。
aikoの曲は大好きでたくさんの曲を何回も聞いてきまいたが、aikoはいつでも好きな人に対して全力の好きを抱えています。それはもう強力な好きを。(このブログのタイトルにもある心に乙女なんて、まさにそうですよね)
でも、それをあなたには決して強要したり、わかってよ!と伝えたりはしないんですよ、そこがツボなんですよ、ねえ、そうですよね?!(笑)
「そんなことあなたには到底言えない」、まさに、内に秘めた強力な愛情です。
どこが不安なのか
じゃあ、最初に言ってた不安って一体何なんでしょう、という話になりますが、私的には、「あなたがあたしのことをどう思っているか」。結局はそこなんじゃないかなと考えています。
先に言った通りの、大きくて絶対の愛情をもってしても、結局はそんな小さなことに揺らいでしまう。そんな感情を感じます。
小さな不安や悩みが重なって、ハンカチ1つ渇かない心になったとき、あなたに寄り添い少し暖めてもらう。あなたののどを流れる息が、あたしの前髪を揺らしている。あなたはここにいる、今はあたしだけを見てくれている。大丈夫、大丈夫。
そういう気持ち。
あなたはどうかわからないけれど、あたしにはあなたしかいないんだよって、ぎゅっと寄り添う。
そういう、奥ゆかしさというか、女の子の内に秘めたかわいらしさを感じる曲だなって私は思っています。
「二人の形」は静かな決意
後半の歌詞を見てみましょう。
愛することも抱きしめることも本当不器用で
ずっと傷ついて失ってここまでやってきたのね
両手にあまる程たくさんの恋をしたってそれは
決して誇れることじゃなくて悲しんでゆくことなのね
この歌詞も本当大好きなのですが、両手に余るほどの恋をしても、それは誇れることじゃなく、悲しんでゆくことなんだって、aikoは歌うんです。
この歌詞を聞いた時、私はすごくはっとさせられた記憶があります。
なんとなくたくさんの経験があると経験豊富でよいことだと捉えられがちですが、そうじゃないんです。悲しんでいくことなんです。
そうか、と思いました。そしてaiko自身もあなたに出会ってそれに気が付いた、そんな言葉選びですよね。
振り向いてもらえない…ひどい振られ方をした…悲しい記憶や痛い思い出、そんな、”苦しい恋愛”をしたとき、ふっと自分を見失って流れに任せてしまったことがある女の子は多いのでは、と思います。
私もプロフィールにある通り、失恋がきっかけで自暴自棄になっていたいわゆるこじらせ期を経験しました。苦笑
aikoのこの言葉がそういう意味を表すかは断言はできないですが、私は、そういう過去があっての、このフレーズなのかなと感じています。
あなたに出会うまで、たくさんの恋をしたけれど、それって決して幸せだったわけではなかったのね。あなたに出会って初めて知ったの。あれは悲しんでゆくことだったのね。
そういう気持ちなのかなって。
だから逆に、二人の形のあたしは、あなたに出会えて本当の幸せを知った、幸せなあたしなんだろうなって。
雨が降ったらはぐれないように指の間握ろう
たとえ夜が明けない雲も切れないそんな空の下でも
手を引くあたしに笑ってついてきてくれる
それが二人の形
これまでたくさん失って傷ついて悲しんできたあたしが、今あなたと出会って何を想うか。
それがこのフレーズの中に込められているのではないでしょうか。
不安も抱えながらも、前を向いてあなたと手をつないでどんな時だって一緒に歩んでゆきたい、そんな静かな決意を感じます。
きっとこれも言葉となって直接あなたに伝えられた想いではないと思います。でも、あたしの心の中で、静かに強い決意をする。
二人の形はそんなあたしの静かな決意をうたった歌かなと個人的に思っています。大好き。