こんにちは。aikoジャンキーのけだまです。
今回は、aikoのBABYというアルバムに収録されている「より道」という曲について私なりの考察や感想、好きなところを紹介していこうと思います。
より道の歌詞はたったの205文字
キラキラというaikoを代表するようなメジャー曲のカップリングであり、かろうじてアルバムには入っているが、意識せずに聴いているとさらっと聞き流してしまうくらい、あまりよくない言い方をすれば「地味」な曲だと思う、より道。
再生時間自体は5分弱、といたって普通の長さの曲ですが、歌詞を見てみるとなんとたったの205文字でした。(数えましたw)
しかし、そのたったの205文字に、”振り向いてもらえない恋愛の苦しさや切実な願い”が込められていて、そういう恋愛の経験がある子にとっては絶対に欠かせない一曲になっているんじゃないかと思うんですよね…。
歌詞を見ていきましょう。
電車に乗って日常へ連れ戻される…?
知ってる道に差し掛かる度
もう君との甘い旅も終わってしまう
そんな気がして
知らぬ景色の緑の中に輝きを求めてた
これは本当に君とどこか遠くへ旅に出ていたのでしょうか。それとも何かの比喩か。
いちファンである私には真相はわかりませんが、個人的には実際にそういうことがあったのかなあ、と考えています。(というか私自身がこれをよく聞いていた当時、そういう状況だったのもありますが)
想いを寄せる君と、日常を過ごす場所ではないどこかに行っていた。甘い旅、と表現しているあたりが、あたしにとっては、すごく楽しみにしていたことだったのかな。二人きりでは会えないような二人が、やっとこの日には会うことができて、場所もそうだけど、その事実が非現実的だった…
そんな予定があったのかな、と想像します。
そしてもう一つ、そう思う理由が、イントロから流れ続ける特徴的なギターのフレーズ。
ジャッジャジャジャ♪ジャッジャジャジャ♪…と、ひたすらに繰り返します。これを聞くと、私は電車をイメージするんですよね。一人、君と別れた後に電車で日常に連れ去られていくあたしが見える。
だから私は、実際にどこかへ行っていたんじゃないかなと思っています。
心に秘めたものはいつか破裂する
続く歌詞。
君のことを分かれるのなら
もう何も痛くはない
このフレーズから、あたしが想い馳せている君が、あたしのほうを向いてはいないことがわかります。
あたしと一緒に甘い旅をしていたにもかかわらず、君はあたしのことを見てはくれない。
そういう状況になったことがある人ならきっとわかる。「あの人は何を思っているのだろう?」「何を考えているのだろう?」「私のことはどう思っているの?」
一緒の時間を過ごしているはずなのに、何もわからないんですよね。君のことが。
だから、このフレーズかな、と想像します。
そしてその先に続くのは
心に秘めたもの
破裂する日が来る
だからもう一度言うね
君だけを愛してる
そう、まさに破裂しそうなくらいなんです。
どんなにあたしがあなたを想っても、君は振り向いてはくれないし、君のことも何もわからない。
胸の中に秘めているこの気持ちは今にも破裂してすべてを壊してしまいそう。
だから、あたしは言うんですね。「君だけを愛してる」と。
自分自身に。
この辺りは「秘密」や「心に乙女」、「それだけ」等にも通ずるところ。

そういう重たい渦巻く想いはaikoは絶対に伝えない。たとえ、破裂しそうになっても。
破裂しそうってどれくらい?
先を見ていきましょう。
少し気になれば
夢に出てきた同じ飴を探して転がしてみたり
深呼吸なのか溜息なのか
吐いた後は「逢いたい」と涙が出た
想いのバランスが取れない恋愛ほど、苦しいから、なるべく気を紛らわしたら考えないようにしたりしちゃうもんです。
でも、ちょっと気になってしまえば、ただ夢に出てきただけの飴玉を探して食べてみちゃったり、そんな自分に嫌気がさして深く息を吐いてしまえば、本当はやっぱり「逢いたい」んだと、心の声があふれて涙が出る。
あぁ…気持ちの表現の純度が高すぎて、当時を思い出してしんどくなってくるほど、生生しい歌詞です。
そして続くのは、
解ってた事
とっくの昔に
君を好きになっていた
です。
どんなに気を紛らわしても、「君のことが好き」ただそれだけなんだって。あたしは気づくんですね。
幸せなより道
より道、という曲の最後のフレーズ。
君を失う悲しみに比べれば
想う苦しみなど
幸せなより道
…
もう涙で記事が書けません。。゚(゚´Д`゚)゚。
想いが破裂しそうで、でもその気持ちは伝えられなくて、でもただ君のことだけを好きでいるしかなくて。
行きついた答えがこれなんですよ。
君を失ってしまうくらいなら、今のこの大きな苦しみだって、幸せなより道なんだよって。
どんなに苦しくてつらい思いをしたって、君との時間を一瞬でも過ごすことができるのであれば、それだけで幸せなんだ、って。
タイトルにある、”より道”とはそういう意味だったんですね。
このフレーズが終わると、またギターがリードして電車が過ぎ去るようにだんだんとフェードアウトして曲は終了します。
恋愛を歌うアーティストは星の数ほどいます。
でもこれほどまでに、恋する苦しさやもどかしさ、一筋縄ではいかない複雑な心境を歌詞にしてメロディーに乗せて歌ってくれる人はaikoしかいないと思っています。
ああ、最高です。