こんにちは。aikoジャンキーのけだまです。
今回は、アルバム「BABY」の中から、「戻れない明日」という曲について私なりの考察や感想、好きなところを紹介していこうと思います。
想い出は人を切なくさせる
歌詞を見ていきましょう。
想い出は人を切なくさせる
それはあなただけじゃない
心に生まれた影が多い時程涙は出るものなの
人間、生きていたらいろんなことが起きます。
嬉しいこともあるし、悲しいことつらいこともあります。
そういう毎日の積み重ねが記憶となって残って、想い出になっていくものです。
”想い出は人を切なくさせる”というこのフレーズからは、個人的には、うれしい思い出や楽しい思い出も含めて、切なくさせる、という意味ではないかなと思っています。
あの時は、嬉しくて楽しくて幸せだった記憶や思い出も、時間がたって環境が変わったりすれば、切ない記憶になってしまうこともありますよね。
”それはあなただけじゃない”ということは、あたしもそう感じている、ということです。
そして、そういう小さな切なさも、自分に余裕がないときや悩んでしまっているときは、余計に強く感じてしまう…。
そういう気持ちを想像します。
分かり合えないこともあるからこそ
少し飛ばしますが、サビです。
あたしはあなたじゃないから全てを
同じように感じられないからこそ
隣で笑っていたいの
悲しくなったときは沢山泣いてもいいけど
ずっとそこにいないで
うずくまったりしないで
戻れない明日は、このサビがすべてを語ってますよね…。
”あたしはあなたじゃないから 全てを同じように感じられないからこそ”
そうなんですよ。
どんなにずっと一緒にいても、どんなに想い合っていても、どこまでいってもあたしとあなたは別人であり、すべてを分かり合うことは不可能、なんですよ。
いや、あたりまえじゃん、って思うかもしれませんが、キモになるのは、”全てを同じように感じられないからこそ”
この、”こそ”ですよ。
どんなに想い合っていても分かり合えない、と、冷静に現実を認めたうえで、でもだからこそ一緒にいることに意味がある、と歌っているんですよね。
Aメロで、想い出が切なくさせるのはあたしもあなたも一緒、とまるであなたのことはわかっているよと言わんばかりの言葉ですが、それも結局すべては分かり合えない。
過去にあなたがどんな経験をしてそのときどう感じたのか、聞くことはできてもそのすべてを理解することはできない。
それが互いに切なさを感じてしまう原因にもなるかもしれない。
でも。だからこそ、これからの時を、隣で同じ景色を見て笑って、この瞬間を共有したい。
過去の記憶や毎日を生きていく中で、悲しいことやつらいことが起きて、泣いてしまってもいいけれど、ずっとそこで立ち止まっていないで、一緒に歩こうよ。
そういう気持ちでしょうか。
向かった先が正解か不正解かなんてわからない
二番です。
毎日悩んでしまうことはそんなに悪いことじゃない
・・・
心の向かった場所が
本当か間違ってるかなんてわからないから
・・・
どんなに考えても答えはないよ
ふたつとしてないものだから
すこし抜粋して持ってきましたが、二番で感じるのは、”これから向かう未来が正しいかなんてわからないけど、でもだから今、あなたと一緒にいるという事実は唯一信じられるもので一番大事にしたいもの”というニュアンスです。
歌いだしで、「想い出」という過去の出来事について「切なくなる」といっているところからもわかるように、このあたしは、事あるごとにきっと、昔のことや失敗してしまったことを思い返しては悩んで考えてしまうのではないかと思います。
その中できっと、今あなたと一緒にいることや、これから先の未来についても考えて悩んでしまう。
でも未来のことって、どんなに考えても、誰に聞いても100%ってないですよね。
今の選択が、正しいか間違ってるかなんて誰にも分らないんです。
確実にわかるは、今。この瞬間起きていること。
だとすれば、今を一番大事にしたい。立ち止まっていないで、あなたと一緒に同じ景色をみたい。それが仮に振り返ってみて間違った選択だったとしても。
戻れない明日、とはなにか
最後に歌われるのは、
一緒にみたいの
戻れない明日を
タイトル、戻れない明日。
ここは、いろんな解釈があると思いますし、私もはっきりと言葉にできないですが、
”一度しかない未来”
という意味でとらえています。
戻れない+明日。戻れないということは、一度きりということ、そして、明日は未来のこと。
あたしとあなたは違うからこそ、一緒にいることに意味があるし、何が起こるかわからない未来も、あなたと一緒にみていきたい。それがたとえ間違った選択になったとしても。
そういう意味が込められた言葉だと思っています。
一番と二番で歌ったことを一言にぎゅうっと詰めた天才的な言葉選びだなあと、ため息が出ますね…。
こういう、とても冷静にある意味残酷に、「わかりあえない」ということや「間違っているかもしれない」ということも認めているうえで、一緒にいたい、と歌うaikoが私は大好きです…。